ベクトリックス、異なるメーカーの測定データも自動で入力!

製造業のデータ改ざん問題が世間を騒がせているが、「わが社も今のうちに品質管理のシステム化を!」と、企業が導入している測定機器用のIoTツールがある。

通信機器やソフトウェア開発などを手がけるベクトリックス(東京都豊島区)の『テレメジャーⅡ』と品質管理ソフト『QCプロシリーズ』だ。

ボタン1つで検査成績表に自動入力

『テレメジャーⅡ』は、デジタル測定機器に無線送信機を取り付けて、パソコンに接続した受信機を経由し、自動で測定データを入力できるシステム。

例えばデジタルノギスで測って、一旦置いて、ペンに持ち替えて測定値を記入するということをせずに、ノギスで測定値が出たら、ノギスに取り付けた送信機のボタンを押すと、測定データがパソコン上の検査成績表へ瞬時に入力される仕組みとなっている。

どの測定機器のデータなのか判別できるよう、送信機には各測定器機のID番号が100まで設定でき、検査成績表のA列にはID番号1のノギス、B列には番号2のマイクロメータなど、設定した測定機器の値が自動で入力できる。送受信機は128チャンネルの登録ができ、送受信機間の双方向通信も行える。

▲『テレメジャーⅡ』の送信機と受信機。送信機はノギスに固定して装着可能

合否判定も自動

この『テレメジャーⅡ』のために開発されたソフトウェア『QCプロシリーズ』は、検査成績表がエクセルで簡単に作成でき、データが入力されると合否判定を自動で行い、音と色で判別や注意喚起をしてくれる。

検査図面や、傾向・バラツキがわかるグラフ表示のほか、ロット情報の登録やトレーサビリティも簡単に管理が行える。

はかりも投影機もトルク検査もつながる

測定器機メーカー独自のデータ管理システムの場合、自社の測定器しか対応していないが、同社のシステムは、トルク検査やはかり、投影機、レーザー測定器など、さまざまなメーカーのデジタル測定器に対応している。

異なるメーカーの測定器でもデータを集約できてしまう秘密は、同社が各メーカーに通信方式などを教えてもらい、その測定器専用の送信機を製作しているからという。

これはメーカーと同社の大きな信頼のもとに成り立っており、現在では新製品の測定器が出ると、メーカー側から『テレメジャーⅡ』対応の依頼がくるという。

 

開発には、常にお客様の声が反映されていて、ソフトウェアは年に5〜6回アップデートをしている。海外向けの検査成績表用に、ボタンを押すと英語に切りかわる機能や、現場のパトロール用に受信機のミニ版を製作するなど、同社の製品には現場の声がたくさん詰まっている。

品質管理に加え効率アップ、省人化など、今後ますますの需要に期待がかかる。

 

参考:ベクトリックス株式会社
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