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【PART2】アドバンテックの巨大イベント『Advantech IoT Co-Creation Summit』を見学に中国蘇州に行ってきた話

Advantec IoT Co-Creation Summit フォトレポート【PART2】

こんにちは、IoTナビの山本です!
アドバンテックのプライベートイベント『Advantec IoT Co-Creation Summit』を取材してきました!その様子をフォトレポートでご紹介します!

前回のレポートはこちら

前回からの続き

無事受付をすませ、いよいよ取材が始まる。

上司 「おれ午前中は個別のセッションを見に行くから、山本君はブースショーケース取材してきてよ」

山本「あっはい。わかりました。じゃあ行ってきますね。」

会場到着15分で一人になったけど、大丈夫。想定の範囲内だから。

いざブースショーケースを取材へ

ブースショーケースではアドバンテックの各セクター(事業部のようなもの)ごとに製品やサービスを会場に展示し、
担当社員が来場者へ直接説明を行う、いわゆる製品展示会である。
積極的に名刺交換が行われ、具体的な商談が積極的に行われる本イベントの目玉の一つだ。

ブースショーケースの会場図

セクターごとにエリアが色で区切られ、製品が展示されている。
会場では各ブースにアドバンテックの担当社員がたち、言語は中国語・英語どちらにも対応可能で、説明内容も細かくレベルが高い。
※日本語は非対応

Industry IoTブース

まずは彼らの主要事業の1つである、Industry IoTのブースから取材した

アドバンテックではIndustry IoTはこれまでの成長を牽引してきた主要事業である。製品群の中でも産業用PCはグローバルシェアトップである。
会場では通信インフラからセキュリティ機器まで広く展示されており、数多くのハード・ウェアを製造販売している事がわかる。

ブースショーケースではアドバンテックの製品・サービスを利用した事例を展示しており、
多くの人を集めていた。

工場内の電力監視

シチュエーションルーム

工場内の各機器の情報をクラウドへ吸い上げ、アドバンテックの提供するWise-pass(IoTプラットフォーム)経由で管理ソフトを提供。
シチュエーションルームといわれるダッシュボードでのリアルタイムコントロールをユーザーへ提供する。
既存の設備とのつなぐ方法はいくつかを選択可能で、アドバンテックの製品領域の広さが活かされている。
アドバンテックはこのWise-pass経由でのソフトウェアをSRPと呼び、導入事例だけでなく実際に使える商品として展開を始めている

「SRP」とは
「SRP」(ソリューションレディパッケージ)とは、アドバンテックのもつWise-pass経由で提供される産業用のソフトウェアサービスで購入後、すぐに展開を行うことのできるクラウドサービスである。
アドバンテックだけでなく、アドバンテックとパートナーシップを結ぶ各産業に強いソリューションプロバイダが提供・開発することでIoTを導入する側は多くの選択肢やオプションを組み合わせることが特長である。
ソリューションがパッケージでレディ=準備されている事が由来。Wise-Passマーケットプレイス*という独自の通販サイト上で購入が可能。
※Wise-Passマーケットプレイス – アドバンテックの運営するクラウドサービスやソフトウェアを販売・提供する電子商取引サイトで、日本では2017年11月下旬にリリースされた。

Embededd IoTブース


もう一つの主要事業であるEmbededd IoTのエリアへも取材した。Embededd IoTでは他社の製品に組み込むための組み込みPCやマザーボード・モジュールを製造販売しておりアドバンテックのもう一つの成長の柱である。
標準品として販売されるIndustrial IoTと比べ、普段見ることのない製品がおおく、詳細なスペック・機能というより他社製品と組み合わせた導入事例を多く紹介していた。
会場内でもIndustrial IoTブースに次いで広く、多くの訪問者で賑わっていた。

エッジ処理可能なAIを搭載した組み込みPC



今回初公開となるインテル社の新型VPU「Movidius」を搭載した組み込みPCを展示していた。
エッジでのAI処理が可能なハイエンドPCで、エッジ処理だけでなくクラウドを経由してソフトウェアを提供する事ができる。
インテル社の「Movidius」を組合わせることで低電力かつ小型PC上での画像処理を行うことができ、道路の交通状況監視ソリューションとして導入されているようだ。

工作機械の稼働監視

シチュエーションルーム

各部品の稼働状況の監視とコントロールがリアルタイムで可能。
写真はサーボモータの場合。

部品の組み付け例

機器内のサーボモータやドライブなどの各部品をアドバンテック製のボードと接続し、稼働データをクラウドへ吸い上げることで、
クラウド上で設備内の各種部品の稼働状況を一覧化することができる。
アドバンテック製のボードはModcusやEtherCATなどのあらゆるプロトコルに対応しているため、幅広い部品と容易に接続が可能らしい。
説明をしていた担当者に聞くとターゲットユーザーは各種の設備(工作機械やMRIなどの医療機械)の製造メーカーとのことだ。
アドバンテックはこのサービスをRDCというサービスプロバイダと共同で提供している。

またこの事例のように部品にフォーカスしたサービスをアドバンテックはE2I※のサービスと呼んでおり、
機械を構成するEquipment=部品郡の稼働を監視し、リアルタイムコントロールを可能とする。
※Equipment-to-Intelligenceの略。工作機械や医療用MRIなどの機械内部の部品群をネットワークに繋いで制御する事をさす。

Inteligent Retailのブース

今回、面白いと思ったのはIoTを駆使して小売業へサービス提供をしているInteligent Retailのブースである。
製造業界で力強い存在感をもつアドバンテックが小売業に進出しようしている部分が非常に興味深かった。
もちろんIoT自体は小売業界でも浸透が進んでおり、競合の多い中でどこまでアドバンテックが独自性を出せるのかは未知ではあるが、意欲的に進出していくやる気が感じられた。
ちなみにアドバンテック社内の売上比率ではまだまだ小さく、新規事業という感じだそうだ。

デジタルサイネージ製品


ディスプレイがずらっと並ぶブース。産業用PCメーカーと思っていたので、新鮮だった。
日本だとマクドナルドの店内でよくみるアレである。

パートナー企業ブース

自社製品だけでなく、パートナー企業のブースも出展していた。
日本からは三菱電機ブースが人を集めており、その他アナログデバイセズや台湾メーカーなど
複数のブースが見られた。

シチュエーションルーム=見える化


最後は彼らのIoTにおける理念である、Visualizetion(見える化)を体現するシチュエーションルームという機能の説明ブースを取材した。
アドバンテックの提供するIoTソリューションはリアルタイムでの「見える化」を一つのテーマとしており、
IoTが進んでいくに連れて、データを「集める」「分析する」だけでなく「誰もが簡単に1つのディスプレイですべての主要項目が監視でき、リアルタイムでコントロールできる」ことを目指している。

技術が様々な形で進歩する中で、IoTサービスの選択肢も増えてきた昨今、結局は人が簡単に理解でき操作できることが最も大事であると感じた。

ブースショーケースを終えて

ブースショーケースを取材して、アドバンテックの並々ならぬ意気込みと、IoT業界のリーディングカンパニーとしての自負を感じた。
来年以降の注目度も高く今後も必見のイベントであるのは間違いなさそうだ!

次回のレポートではGrobal keynoteの模様や2日目以降の各種セッションの内容をご紹介します。
ご期待ください。

P.S. 会場で出されたお弁当
おいしかったなぁ。もう一回食べたい。

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