THKは、2020年1月に販売を開始した製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」の機能をさらに強化・拡大すべく、ファナックが提供する製造業向けオープンプラットフォーム「FIELD system」との連携を、2021年4月から開始する。
「OMNIedge」は、通信網を使って機械要素部品の状態を数値化し、予兆検知を実現するシステム。2020年1月にLMガイドからサービスを開始し、ボールねじ、回転部品(無償トライアル実施中)へと対象部品の拡大を図っている。また、サービス範囲拡充の一環として、今年2月からグローバルSIMへの対応も開始した。
THKの主力製品、LMガイドとボールねじは、高精度位置決めが求められる工作機械や産業用ロボットに広く採用されており、ユーザーからは、精度の要となる直動部品の状態の見える化や予兆検知へのニーズが高まっている。
これまでに販売している「OMNIedge」単体でも予兆検知は可能だが、その対応範囲を産業用プラットフォームへと拡大するため、今回、第一弾として高精度の位置決めが求められる機械で採用されている「FIELD system」との連携を開始した。
まずは「OMNIedge」を搭載した部品をモニタリングする機能からスタートし、次の段階として、「FIELD system」で提供されているアプリケーションを活用した、より高い付加価値を持つ独自アプリケーションの開発も視野に入れているという。さらに、「OMNIedge」の機能とサービスはそのままに、他の産業用プラットフォームへの対応も進めている。
特長
●90個の機械要素部品と装置の同時モニタリングが可能
CNCを搭載した工作機械や、ロボットコントローラで制御するロボット搬送軸などを多台数稼働している現場からは、「IoTを導入する際、統一プラットフォームで一括運用したい」という声が多く寄せられている。
「FIELD system」の専用ハードウェア FIELD BASE Proには「OMNIedge」のアンプ30台が接続可能で、最大90個(30アンプ×3センサ)の機械要素部品と装置を同時にモニタリングすることが可能。また、FIELD BASE Proには、500社以上のパートナーが開発したアプリケーションが搭載されるため、装置同士がつながり、複数の機器が共同で製造現場の最適化に寄与する。
●工作機械、ロボット搬送軸との優れた連携性
各種CNCやロボットコントローラと「OMNIedge」は、包括的な連携が可能。例えば、CNCやロボットコントローラの制御信号を使って「OMNIedge」のデータを収集できるため、実際の設備運用とも親和性が高く、生産性向上につながるデータ活用が期待できるという。
●「OMNIedge」の機能・操作性を維持
すでにサービスを展開している「OMNIedge」が持つLMガイド、ボールねじの見える化機能をそのまま実装しているため、操作やモニタリングは直感的、簡単に実行できる。