「スモールスタート」という言葉がある。その字面の通り「小さく始める」という意味で、新たな事業やプロジェクトを立ち上げる際は、機能やサービスを限定してはじめ、後に需要に合わせて規模を拡大していくことである。始めるまでのハードルが低く、方向性を変えやすく、撤退という最悪の場合でもリスクが少なくて済む。主にIT分野や起業する際などによく使われる
▼これからの製造業にとってIoT導入は必須である。しかし、現段階ではほんの小さなもので良い。何も工場全体をネットワークでつないだり、データを取ったり、すべてを見える化したりする必要はない。「まずやってみる」ことが大事なのだ。対象をある一つの装置に限定し、稼働データをクラウドに上げてデータを分析して予知保全をしてみる。それだけで十分だ。IoTのプロセスをいったん経験すれば、何が必要で、どういう手順を踏めばよいのかが分かる。IoTはスモールスタートが鉄則。「自分の経験はどんなに小さくても、百万の他人のした経験よりも価値のある財産である」(ゴットホルト・エフライム・レッシング)。IoTを経験することこそ、今の日本企業に必要なことである。
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