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NTTドコモ、ノキアグループ、オムロンの3社は、工場などの製造現場への5G(第5世代移動通信)方式を活用した共同実証実験を実施することになった。実証実験を通じて、高速・大容量、低遅延、同時多接続といった5Gの有用性と可能性を共同で評価し、製造業が直面する課題の解決と、将来の製造現場で求められる通信技術の発展を目指す。
ドコモは5G装置を活用した実証実験の実施に関わる技術的知見の提供、ノキアは5G基地局を含むプラットフォームやノキアベル研究所の先端技術の提供、オムロンはFA機器、および制御技術や製造業における知見、自社工場での実験環境提供を行う。実証実験は、オムロンの草津工場(滋賀県)でレイアウトフリーの生産ライン構築を2019年中に具体化する形で予定している。
製造業での熟練工不足や多品種少量生産など課題解決に向けて、IoTによるデータを活用した生産性向上の取り組みが進む中で、工場で無線通信を使用するには、人やモノが動くことによる環境変化や、さまざまな機器から発信されるノイズなどの影響が懸念されている。
実証実験では、需要の変動に合わせた生産ラインのレイアウト変更や立ち上げをフレキシブルかつスピーディに行うために、5Gで無線ネットワーク化するとともに、オムロンの自動搬送ロボットを組み合わせることで、工程ごとに切り離したレイアウトフリーな生産ラインを構築。
また、5Gで製造設備のデータや、作業者の作業動線や動きを撮影した映像データなどを収集し、AIで解析。熟練者との違いを作業者へリアルタイムにフィードバックすることで、気づきを与えて生産性の向上と早期習熟をサポートするなど「5G技術を使うことでオートメーションを進化させる」(オムロン福井信二技術開発本部長)。
ドコモは、2800社超が参加する5Gオープンパートナープログラムを運営し、このうち製造業が約17%を参加している。
なお、11月に開催されるIIFESの会場で展示する予定。