東芝インフラシステムズは、AIでメーターの検針値を読み取ることで、ビルや施設の設備点検・検針業務を軽減し、作業ミスや人手不足解消に貢献する「メーター読取支援サービス」を10月から開始した。
ビル管理・保全業界では、煩雑な点検・検針作業の正確性の担保とトラブルの未然防止、トラブル発生時の迅速な対応などが求められる中、作業を人手で対応しているため慢性的な人手不足と熟練作業員の高齢化の問題を抱えている。
さらに、ビル施設の老朽化による不具合の発生頻度が高まる中、ICTやデジタル技術による業務効率化、省力化と共に円滑なレポーティングとデータ管理の必要性が年々高まっている。
このような状況を受けて、同社は現場作業員の点検・検針・巡回業務にタブレット端末を活用する設備点検支援クラウドサービス「Sharepo」のサービスを行っている。「Sharepo」は、帳票類等の電子化、作業項目・計画・手順のデータ化、データ入力の簡素化・自動化、入力データのタイムリーな報告等で業務効率化を図ることができるサービスとなっている。
今回、「Sharepo」の新オプションメニューとして、電気・ガス・水道等の各種メーカーの検針値をAIで読み取り、自動的に帳票で記録するサービスを開始した。
検針作業は正確性の担保が求められ、作業員二人での二重チェック、検針結果の集計入力時に異常値に気付いたときの再検針作業など負担が大きい作業。
同サービスは、タブレット端末のカメラで電気、ガス、水道メーターを撮影するとAIが自動で数値を読み取り、数値とメーターの写真を同時に検針帳票へ記録・集計する。異常値もその場で確認できるため、作業行程の削減と作業品質の向上が可能となる。
同サービスを通して、オフィスや商業施設におけるビル設備の稼働状況、エネルギーの利用状況や料金などのデータを容易に収集・蓄積することができる。これらのデータと同社が持つビル設備の設計データなどと組み合わせることで、省エネ制御、設備トラブルの発生予測の精度向上など、ビル運営・管理における各種ソリューションサービスの提供が可能となる。