明電舎は、IoTを使ってリアルタイムに変圧器の余寿命を把握できるシステム「変圧器オンライン余寿命診断システム」を開発。2017年4月から販売を開始する。
インフラの監視について、設備の老朽化にともない点検・メンテナンスの重要性が増しており、監視強化による停電などの大規模障害の未然防止が求められている。
同システムは、油入変圧器に各種センサーを取り付け、取得したデータをクラウド上に蓄積し、遠隔で監視と診断をオンラインで行う。既存設備にも容易に導入でき、これまで行ってきた日常巡視点検を効率化できる。導入によって定期点検時に1カ月かけて行っていた変圧器の油分析を、リアルタイムに実施することが可能になる。
現段階では油入変圧器を対象とし、今後は乾式変圧器にも適用できるシステムを18年度に開発する予定。
【変圧器オンライン監視項目】
◆油面数値監視
アナログメーターをカメラで撮影し、針の位置を画像処理にてデジタル化。数値データとして取得。
◆油温/外気温監視
変圧器に注入されている油の温度や外気温を常に計測。異常をリアルタイムに検知。
◆油中ガス/水分分析
変圧器中の銅線に巻かれた絶縁紙の劣化により油に溶けた特定の化学物質を、油中のセンサーで計測し、絶縁紙の劣化の兆候を把握。落雷や部分放電などにより生じたガス成分を計測することで、油の劣化を把握。
◆LTC(ロードタップチェンジャー)監視
タップの切り替え回数を把握することで、摩耗を予測。
◆部分放電監視
経年劣化による絶縁不良で発生する部分放電を常時監視。
◆負荷電流監視
負荷電流を計測することで、生涯使用量を把握。
出典:明電舎、IoTを活用した変圧器オンライン余寿命診断システム開発完了しました