【各社トップが語る2020】三菱電機「e-F@ctory推進」FAシステム事業本部 古谷友明 機器事業部長

三菱電機 FAシステム事業本部
古谷友明 機器事業部長

 

2019年は米中貿易摩擦の影響を受け、夏以降には日韓関係の悪化もあり、FA環境は厳しく過去最高の前年には届かなかった。ただし20年に向けてはIoTやAI、5G、セキュリティをキーワードとした投資を検討する企業は多く、半導体も回復の兆しがある。足下では中国で5Gスマートフォンの投資が入りはじめ、5G用基板や筐体加工の話も出てきて、中国スマートフォン市場の回復にも期待できる。

省人化や省エネ需要は根強く、20年は確実に良くなる。e-F@ctoryを軸に需要を刈り取っていきたい。

IIFESではIoTやAIを使った制御、5G対応の展示を行い、来場者の反応は良かった。国際ロボット展では開発中の協働ロボット「MELFA ASSISTA」が好評だった。リアルタイムロボティクス社の技術を使った「障害物をよけるロボット」も反響が大きく、「使ってみたい」という声もいただいた。

またネット通販の進展とともに物流センターが増え、シーケンサやインバータ、サーボモータの需要が旺盛だった。物流向けの好調は20年以降も続くだろう。受配電機器も首都圏の再開発、オリンピック・パラリンピックに関連した放送施設やデータセンターの整備、学校の教室・体育館への空調整備など好材料が多く、上期としてはバブル期並の勢いがあった。20年は前年が良かった分、若干落ち着くと見ている。

CC-Link IE TSNは、いち早く次世代通信規格のTSNに取り組み、対応製品を発売することができた。従来のCC-Linkと異なり、ソフトウェアの搭載で機器対応が可能になるので、対応製品をさらに増やして充実し、他社への呼び水としたい。Edgecrossも多くの企業から認定ソフトウェアが出てきて、利便性が高まってきた。今後は実際の活用事例を広げていく。

 

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