京セラと横浜市は、京セラが開発した「IoT宅配システム」による宅配の再配達解消を目的とした実証実験を、2月1日から横浜市若葉台団地(横浜市旭区)で開始する。
昨今、電子取引の拡大に伴い、宅配便の取り扱い個数は増加しており、宅配便の約15%が再配達されているという。取り扱い個数はさらに増加すると予測される一方で、物流業界の労働力不足やドライバーの労働時間の増加、さらにCO2排出量の増加などが社会問題となっている。
今回の実証実験は、白山機構が開発した宅配ボックスを使用し、佐川急便、日本郵便の2社が参画して横浜市若葉台団地790戸を対象に行う大規模な実証実験。横浜市が推進する、業者や企業規模の枠組みを超えてIoTビジネスを目指すプレーヤーの“連携”を実践する「I・TOP横浜」の一環である「宅配ボックスIoT化 再配達解消プロジェクト」の取り組みとなる。
京セラが開発した「IoT宅配システム」は、宅配ボックスの利用状況を専用アプリケーションを使い携帯電話やスマートフォンで見える化し、リアルタイムに確認できるシステム。
通常、配達ドライバーは現地に到着後、配達先が不在の場合、宅配ボックスの状況を確認して空いていない場合は再配達しなければならないが、新システムは、ドライバーの携帯端末で宅配ボックスの空き状況の確認ができる。事前に予約もできるため、効率的な配達業務を実現。利用者も、宅配ボックスに自分宛の荷物が届いたことや、自分宛の荷物用に宅配ボックスが予約されたことをリアルタイムに知ることができる。
実証実験は6月15日まで行い、プレ実験、本実験、検証項目と期間を区切り、宅配ボックスを導入した場合の再配達の実態の把握、宅配ボックスをIoT化したことで得られるドライバー側と利用者側の効果の検証、IoT宅配ボックス導入による再配達の低減とドライバーの業務効率化を検証する。
▼宅配ボックスの空き状況を確認できるドライバー側の端末画面とユーザー側の画面
■I・TOP横浜(IoTオープンイノベーション・パートナーズ)について
横浜経済の強みである「ものづくり・IT産業の集積」を活かし、IoT等(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット等)を活用したビジネス創出に向けた、交流・連携、プロジェクト推進、人材育成等を包括的に進めていくプラットフォーム。これらの取り組みから個別プロジェクトを立ち上げ、「新たなビジネスモデル創出」「中小企業のチャレンジ支援」「社会課題解決への貢献」を目標としている。
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