第1回「JEITAベンチャー賞」決定!ディープラーニング、スマートアグリなど8社受賞

JEITA(電子情報技術産業協会)は、CPS/IoT社会実装による新ビジネス創出に向け「JEITAベンチャー賞」を創設し、第1回「JEITAベンチャー賞」の受賞企業8社を決定した。

JEITAベンチャー賞は、電子情報技術産業の総合的な発展のみならず、経済発展に貢献しうるベンチャー企業を表彰するもので、今回が初めての取り組みとなる。

【受賞企業8社と審査評価の概要】(社名五十音順)
株式会社アロマジョイン 香り制御装置
株式会社イーディーピー 高純度単結晶ダイヤモンド
株式会社QDレーザ 量子ドットレーザー
つくばテクノロジー株式会社 非接触レーザ超音波可視化法を使った非破壊検査装置
株式会社トリマティス 光高速制御・総合技術
株式会社Preferred Networks ディープラーニング
株式会社ミライセンス 3D触力覚技術
株式会社ルートレック・ネットワークス  IoT とクラウドを活用した点滴灌漑システム

【受賞企業 8 社と審査評価の概要】(社名五十音順)
(1)株式会社アロマジョイン
<審査評価>
(株)アロマジョインは、「香り制御装置」という新たなウェアラブルデバイスを提案し、携帯
端末市場やゲーム・映画などのエンタテイメント産業などの世界に、香りの時空間制御が可
能となる新たなサービスを提供する事業展開を進めている。また、同社の香り制御技術は、
自動車・住宅・商業施設などの多種多様な空間の快適性向上に加え、香り刺激による健康増
進などヘルスケア分野への展開も期待できる。
(2)株式会社イーディーピー
<審査評価>
(株)イーディーピーは、気相成長による高純度ダイヤモンドの製造技術、成長した結晶の種
結晶からの分離技術、および複数の単結晶を接続した大型モザイク単結晶の製造技術を事業
化し、大型で高純度の単結晶ダイヤモンドの供給を可能にした。ダイヤモンドは、その高い
硬度や優れた耐摩耗性などの特徴を生かすことにより、切削工具や光学部品の高性能化が見
込める。また、究極の半導体といわれるダイヤモンド半導体の実用化も期待できる。
(3)株式会社 QD レーザ
<審査評価>
(株)QD レーザは、産学連携により先駆的に開発した量子ドットレーザ技術に基づき、
LAN/FTTH、材料加工、計測、ライフサイエンス、センサー、ディスプレイなど、多様なア
プリケーション分野で事業展開を進めている。さらに、最近では、網膜走査型レーザアイウ
ェアを開発し、弱視者用機器として本格的な市場化をめざしており、今後の発展を大いに期
待できる。
(4)つくばテクノロジー株式会社
<審査評価>
つくばテクノロジー(株)は、レーザ誘起超音波を利用する非接触レーザ超音波可視化法によ
る欠陥の検出可視化装置、乾電池駆動の省エネルギー・可搬型小型X線非破壊検査装置など
を展開し、機材の軽量化と可視化により探傷データの抽出を簡便にしている。それにより医
療・ロボット・インフラ・航空・宇宙など様々な分野での非破壊検査技術の運用がさらに進
み、安全安心な社会構築へと貢献することが期待される。
一般社団法人 電子情報技術産業協会
http://www.jeita.or.jp/
Japan Electronics and
Information Technology
Industries Association
(5)株式会社トリマティス
<審査評価>
(株)トリマティスは、高速光デバイス技術と高速制御回路技術という2つの高度な技術を融
合し、ナノ秒オーダーの光高速制御・統合を実現している企業である。同社の高い技術力は、
特に光通信市場におけるトラフィック増大等の課題解決への貢献が期待されており、メジャ
ーな工業製品への組み込みなど具体的な提携先さえ見つかれば大きな飛躍が期待できる。
(6)株式会社 Preferred Networks
<審査評価>
(株)Preferred Networks は、現在注目を浴びている、ディープラーニング技術に関し、い
ち早く取り組み、フレームワーク「Chainer」を開発し、オープンソースとして公開してい
る。この取り組みに関して、大企業とも連携し、技術を極めようとし、更にオープンソース
として、世の中に広めようとする取り組みを評価した。
(7)株式会社ミライセンス
<審査評価>
(株)ミライセンスが開発した、「3D 触力覚型」インタフェースという新たな HMI が実用化
すれば、デジタルの世界において「さわりごごち」を疑似体験できるようになる。日本のお
家芸であるゲーム・コンテンツにさらなる付加価値を加えることで、エンタテインメント産
業の拡大が見込める。産業機器の遠隔操作や保守運用作業のトレーニングといった業務用途
への適用など、新たな ICT サービス創出にも期待がかかる。
(8)株式会社ルートレック・ネットワークス
<審査評価>
(株)ルートレック・ネットワークスが製品化した IoT とクラウドを活用した次世代型の点滴
灌漑システム「ゼロアグリ」は一般的な土耕の施設栽培(ビニールハウス)を市場としてお
り、かん水・施肥の「経験と勘」をセンサー情報と栽培アルゴリズムで代替し、省力化なら
びに水・肥料の量をおよそ半減しながら、熟練農家で 25~30%の収量増を達成(国内実績)
している。
JEITA CPS/IoTサイト 第1回「JEITAベンチャー賞」受賞8社が決定
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